強迫性障害とは

強迫性障害は、強迫観念で生じた不安を振り払おうとして、何度も同じ行動をしてしまい、日常生活に支障をきたすようになる病気です。几帳面な性格、完璧主義者の方によくみられます。ご自身でもつまらないことに執着していると分かっているのですが、自らの頭の中に浮かんだ不安、自分の意思に反する不安、不快とされる考え方を打ち消すことができず、特定の行為を繰り返さずにはいられなくなります。具体的には、下記のような症状がみられます。

このような方はご受診ください

  • 外出したときに、ドアをきちんと施錠したか心配になり、家に戻ったりする。
  • 家にいるときに、窓や玄関のカギ、ガス栓、電気器具のスイッチが閉まっているのか不安になり、何度も確認してしまう。
  • 自分の手が過度に汚染されていると感じ、石鹸やアルコールなどで何時間も手を洗ってしまう。
  • 誰かに危害を加えたのではないかと思い、通ってきた道を戻って確認したことがある。
  • 不要となったものが捨てられないため、部屋の中が埋め尽くされている など。

治療について

強迫性障害の詳しい発症原因は特定されていませんが、神経伝達物質の一種であるセロトニンの関与が指摘されています。そのため、抗うつ薬(SSRI)を主に使用し、セロトニンの実質的な働きを強めます。強迫行為がエスカレートすると抑うつ状態になることもあるので、必要に応じて抗不安薬も使用します。さらに、精神療法(認知行動療法)を併用します。不安な状態にだんだん慣れていくことで不安を解消していく方向にもっていくようにする「段階的暴露療法」などにより、強迫観念に伴う不安に対処できるようになります。